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マイルドヤンキーが日本経済を救う

フランスの経済学者トマ・ピケティの「21世紀の資本論」が世界的なベストセラーになっています。発売前の日本においても一部のラジオや週刊誌等に取り上げられています。日本のおいても発売後は大きな話題になるでしょう。

本書では20カ国以上の税務統計を過去200年にわたって調査し、経済活動の変遷を検証しています。本書でのポイントは3つ。ひとつ目は「働いても投資するより儲からない」ということ、2つ目は「資産家と労働者の不平等は拡大する」ということ、3つ目は「資産家から税金を徴収する国際的な法整備が必要」ということです。

本書の主張によれば、資産家はますます資産を増やし、中産階級層はゆるやかに消滅していくそうです。この約20年、日本においても貧富の差は拡大しています。アベノミクスで景気は徐々に良くなってきていますが、今のところは給与所得の伸びはインフレ率に負けています。私たちのお金はどんどん目減りしていっているのです。

マイホームは銀行の賽銭箱

いきなり中産階級が消滅するということはないでしょうが、サラリーマンの生活レベルは年々下がっていくと思われます。ですので、自己防衛策を講じなければ家族の将来に暗雲が立ち込めてしまいます。

日本社会ではお金がかかる不思議な常識がたくさんあります。例えば、バレンタインデイにチョコを送ったり、クリスマスにケンタッキーを食べたり、、、このレベルの出費であれば笑っていられますが、笑ってはいられない常識的な出費があります。それは持ち家神話です。高度成長期にニュータウンといわれる郊外型住宅が乱立し、多くの子育て家族が銀行からお金を借りて「わが家」というステータスを購入させられました。「持ち家、それが現代のニュースタンダードです」と言われ。現代においても「持ち家=ステータス」という構図に変化はありません。

30年ローンで3000万円の借り入れを行うとします。金利が2%の場合、総支払額は約4000万円。4%で借りた場合は総額5000万円支払わねばなりません。現在は住宅ローン金利はだいぶ下がっていますが、10数年前にローンを組んだ、多くの子育て世代は3%前後で借りていることでしょう。3%の場合は総額1500万円の利子を支払う必要があります。

サラリーマンの生涯年収は3億円と言われています。家を購入すると約6分の1消費してしまうことになります。時間が経てば日本の家は修繕が必要になります。また、この頃には子どもの大学進学に頭を悩まさねばなりません。大学卒業までに必要な費用は500万円から1000万円と言われます。住宅ローンが重くのしかかってきます。

どうして私たちは貸家を敬遠するのでしょう。貸家だって持ち家だって性能は同じです。持ち家にこだわる理由は簡単。住宅メーカーや銀行にそれが当たり前のことであると刷り込まれ続けてきたからです。

住宅ローン金利は銀行の賽銭箱です。一度契約してしまえば、30年間、何も労せずお金が入ってきます。あなたは持ち家というステータスを信仰し、銀行神社にありがたく手を合わせて、お賽銭を投げづつける悲しい信者なのです。

マイルドヤンキーの登場は時代の要請

もちろん貸家でも毎月の賃貸料金を支払う必要があります。毎月の支払額だけを考えれば、持ち家も貸家も大差がない気もします。(ただ、ボーナス払いはある場合は大差がないとは言えない)持ち家の場合は利子や固定資産税、修繕費などの見えないコストを充分に考慮しなければなりません。

原田曜平氏の「ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体」が話題になっています。マイルドヤンキーとは地方に住む子育て世代のライフスタイルを指しています。

kotobank.jpによるとマイルドヤンキーとは、

地元に根ざし、同年代の友人や家族との仲間意識を基盤とした生活をベースとする若者。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーでマーケティングアナリストの原田曜平が提唱している。現代の一般的な若者の志向とされる都市部集中、車離れ、晩婚化、少子化とは異なる経済活動や行動様式を持つと定義され、仲間と同乗して車を使い、地元企業に勤めて週末は幼なじみとショッピングモールに出かけるなど、行動エリアが半径5キロメートル以内で完結するという。

・・・以下略・・・

マイルドヤンキー とは - コトバンク

マイルドヤンキーの生体で注目すべきところは、「親と同居している」というところです。親と同居することにより、マイルドヤンキーは核家族化して発生する多くの費用を親に依存(または親とシェア)しています。家計の多くを占める衣食住の「食と住」を出費を大幅に低減することができます。

同居している家が親の持ち家であれば、夢のマイホーム購入などといった、とてもバラ色とはいえない夢を見る必要もありません。

出費を低減することで、マイルドヤンキー家族は核家族ではできないプチ贅沢が可能です。ここで、プチ贅沢をできるだけ抑えて貯蓄にまわすことができれば、将来発生しうるさまざまなリスクにも耐えうる資産形成が可能です。

もともと人間は、身内で集団を作り生活をするという習性があります。古来日本では3世代住居が標準で、本家の周りには分家が住むという形態が一般化していました。

核家族化が進んだのは高度経済成長が進み、働き口を求めてひとが大挙して移転したからです。移転先には同居する親はいませんので、自活していくしかありません。大量に家が足りなくなった都心部では、住宅メーカーと銀行が悪巧みをして善良な田舎者を騙して、すぐに老朽化する家を購入させたのです。

居住地区に大きな変化が少なくなってきた現代において、家族と同居するのはDNAにプログラミングされた当然の行動です。居住地区を変えず、親と同居することにより自身の資産を守ることは、中産階級から離脱しないための自己防衛本能です。

子育て世代のマイルドヤンキー化は「21世紀の資本論」時代の要請に違いありません。