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「2050年の世界/エコノミスト編集部」 ー 2050年、日本は壊滅的な状態になるの?

37年後、2050年の世界はどうなっているのでしょうか?

本書は、イギリスの経済誌「エコノミスト」が2050年の世界を大胆に予測したものです。予想の範囲は、経済、人口、化学、宗教、コンピュータネットワーク、環境、生活などの広範囲に及びます。

記載される予測は全世界的なもので、日本についての記述は、そう多くはありませんが、日本に対する予測は、どれも暗いものばかりです。
2050年、日本の未来ついてのポイントをまとめると。

  • 世界一の高齢化先進国へ
  • 経済規模は3分の1に縮小
  • 中国の脅威は減少する
世界一の高齢化先進国へ

まず、最初に注目すべきポイントは、高齢化が進み、若年層の経済的な負担が大きくなるということです。
2012年現在、世界の中位年齢(平均年齢みたいなもの)は29歳です。2050年の世界中位年齢は、38歳に上昇します。2050年の日本の中位年齢は52歳ですので、いかに日本の高齢化が進んでいるかがわかります。
高齢化により、当然、若年層の経済的な負担も増えます。現在、65歳以上の老人ひとりを2.6人で支えていますが、2050年は、さらに少人数で高齢者の経済的負担を強いられるのです。

経済規模は3分の1に縮小

高齢化が進むことで、当然人口も減少します。
労働者人口も減少するので、GDPも比例して減少します。2010年度の日本のGDPは、世界全体の5.8%の割合でした。2050年では大きく減少し、1.9%に日本の割合は減少します。
経済規模が世界に及ぼす発言力に影響するのは当然のことであり、日本の世界における発言力は徐々に弱まっていきます。

中国の脅威は減少する

もう一つ、日本人として気になるのは、歴史と領土に端を発する近隣国との関係悪化です。特に経済規模と人口の大きい中国のとの関係は大変に気になるところです。
高齢化問題は中国でも深刻な問題です。中国の高齢化速度は日本以上です。65歳以上を支える若年層の人数は、現在の7.9人から2050年には、2.2人まで一気に減少します。
また、共産党一党独裁に対する民衆の不満もピークに近づいており、現体制がこのままの形で、2050年まで存続する可能性は、極めて低いでしょう。
帝国主義的な動きを見せている中国政府は、近い将来、国内の混乱を抑えるために多くの力を割かざるを得ない状況になると予想されます。
そう考えると2050年に、中国が各国と領土問題で争っている可能性は極めて低いと考えられます。

それでも日本の将来は明るい

と、本書から見えてくる日本の将来像は、大変に暗いものです。ただ、本書内の20章に書かれているように、予想とは常に外れるものです。
国策によっては、日本が2050年に人口2億人に増加しているかもしれません。移民政策、医療制度、労働関連法規などの日本固有のシステムを見直すことが出来れば、十分に可能性はあります。
また、人口が増えなくても80歳まで、健康でイキイキと働いている社会が実現するかもしれません。労働層の付加価値を高めることで、労働者一人で10人くらいの高齢者を支えられるようになるかもしれません。
本書は、このままの状態で、何も変えずに過ごしたら「こうなるよ」ということが書かれています。問題点を把握して、解決すべく動くことが大事だと思うのです。

目次

第1章 人口の配当を受ける成長地域はここだ
第2章 人口と病気の将来
第3章 経済成長がもたらす女性の機会
第4章 ソーシャルネットワークの可能性
第5章 言語と文化の未来
第6章 宗教はゆっくりと後退する
第7章 地球は本当に温暖化するか
第8章 弱者が強者となる戦争の未来
第9章 おぼつかない自由の足どり
第10章 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
第11章 新興市場の時代
第12章 グローバリゼーションとアジアの世紀
第13章 品部の格差は収斂していく
第14章 現実となるシュペンタ―の理論
第15章 バブルと景気循環のサイクル
第16章 次なる科学
第17章 苦難を超え宇宙に進路を
第18章 情報技術はどこまで進歩するか
第19章 距離は死に、位置が重要になる
第20章 予言はなぜ当たらないか