チベット人を人間扱いしない中国人の日常 ー チベットの現実を写真家竹沢うるま氏のブログで知る

ASEAN首脳会議に参加中の野田首相ですが、なかなか存在感を発揮できずにいるようです。もう二度と表舞台に現れることがないとわかっているひとに、おいそれと大事な話をする馬鹿な首脳はいるはずもなく、まったくもって悲しい限りです。

そんな中、ASEAN首脳会議で人権宣言が採択されました。

「ASEAN人権宣言」採択 ー NHKニュース

まだまだ、不十分だという意見が多いようですが、意味のあることは、言わないより言った方がいいし、やらないよりやった方がいいと思います。表に晒すことで、世間の関心を集め、人々の行動を変えていくことが出来るのです。

ヨーロッパでは、依然として財務危機が続き、中東では、ハマスイスラエル攻撃という「戦争なの?」を予感せずにはいられないニュースも伝わっています。

私たちの住むアジアにおいても、中国の帝国主義を思わせる言動が目立っています。中国が思想の真ん中に置く「中華思想」は、中国の考えが正しく、その考えに賛同できないものは荒っぽい態度も出ても構わない。というものです。

中国共産党の中国統治が、これからも延々と続くとは思えません。今の中国の言動は、70年前のどこかの国を彷彿させる、なんとなく似たマインドを持っています。「俺が俺が」の向かう先は自滅しかありません。

建物は、中心の構造に歪みが出てくると、外側の構造にも徐々に歪みの影響が出てきます。その歪みは直接的でなく、間接的に外部の構造を破壊していきます。少しずつ、ゆっくりと。
中国の歪みは、ひとりひとりの国民にじわじわと浸透しているようです。差別や暴力が日常化している社会に明るい将来があるとは思えません。

本日のニッポン放送「ザ・ボイス」で評論家の勝谷誠彦氏が、写真家の竹沢うるま氏のブログを紹介していました。ひとりでも多くの人にチベットの現状を知ってもらいたいと思い、竹沢うるま氏のブログを転載します。

とても大切なこと。 - 写真家うるまの世界一周放浪記!! - Yahoo!ブログ

本記事は、中国四川省チベット自治区付近の乗り合いタクシーでの出来事を綴ったものです。

前の車の検問が終わり、乗っている車の番になった。公安の係官が車に歩いて来る。目が据わっていて、冷たい印象を受けた。その係官は何も言わず助手席のドアを開け、そこに座っていたパンツォをいきなり掴み車外に強引に引きおろしたかと思うと、彼を殴り始めた。すると何人かの公安がさっと近づいて来て、止めるのかと思ったら彼らも一緒になってパンツォを殴ったり蹴り始めた。パンツォはその間、一切抵抗することはなく殴られ続けている。地面に倒れ、鼻血を流している。

殴られたパンツォは、何事もなかったようにタクシーに戻り、笑顔を見せたということです。殴られたパンツォは、この出来事を日常と捉えているから、気持ちを取り直せたのだと思います。
このような事が、日常的にチベット住民に行われている現実があると思うと、とても心が痛みます。

アメリカのロックバンド「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」のデビューアルバムのジャケットは、南ベトナム仏教徒差別に抗議するために焼身自殺を図った僧侶ティック・クアン・ドックの写真が使われています。

チベットでは中国からの差別に抗議するために、多くの人々が焼身自殺を図っていると「ザ・ボイス」で勝谷誠彦氏がおっしゃっていました。力の弱いものは、自らを犠牲にして抗議するしか手段がないのです。

歪んだ社会では、自分自身が歪んでいることにさえ気が付かなくなる。権力者が正義と認めたものは、絶対に正義でなければならいない社会は、人としての価値観も薄れてしまいます。

間違いなく世界は、岐路に立たされています。良い世界に向かうのか、悪い世界に向かうのか、モヤが濃すぎてまったく見えません。
ASEAN首脳会議で採択された人権問題はチベット問題には全く影響を与えることはありませんが、差別をなくし、人間としてあるべき姿のしようというマインドを持たないと、世界は悪い方向に向かうでしょう。