なぜ大リーグはたった15年で売上を5倍にできたか? ー 11月11日ラジオ日経「聴く日経 特別版」より

昨日は新聞休刊日。ラジオ日経の「聴く日経」は、新聞休刊日には特別版が放送される。
昨日の特別版は、米国でスポーツマーケティングを行なっているトランスインサイト代表の鈴木友也氏が、大リーグの売上向上の理由について語っていた。なかなか面白かったのでメモメモ。

日本NPBと米大リーグの売上比較
年度 日本NPB 米大リーグ
1994 約1200億円 約14億ドル(1120億円)
現在 約1200億円 約70〜80億ドル(約5600〜6400億円)

(ドルは80円換算)
日本NPBは、この15年で売上が変わっていないのに対して、米大リーグは約5倍の売上向上を実現している。
球団あたりの売上は、日本NPBは約100億円(12球団)に対し、米大リーグは約200億円(30球団)だ。その差は2倍にもなる。

なぜ米大リーグは5倍になったのか

なぜ、米大リーグはたった15年で売上を5倍にできたのか。それは、新規市場への参入と客単価の向上にある。

■理由その1 ー 新規市場への参入

15年の間に社会環境は大きく変化した。米大リーグは、変化した環境を上手に使って新しい市場を開拓した。

(1) インターネットの積極利用
インターネットでの試合放送やグッズ販売を行った
(2) 国際市場への参入
国際放映権の販売やグッズ販売、国際中継のおけるバックネット下の広告販売(国によって違う広告が表示される)・・・グローバル化をスムーズに推進するため、各国の有力選手を積極的に受け入れた

■理由その2 ー 顧客単価の向上

(1) 新しいスタジアムの建設
あえてキャパの小さいスタジアムを建設(空席をなくし、希少感を演出)
(2) 見えない値上げ
単価の高いプレミアムシートの販売など、見えない値上げを随所に行った
グローバル化をどう考えるのか

巨人 快勝!初のアジア制覇&5冠達成!MVPは坂本

先日、決勝戦が行われた「プロ野球アジアシリーズ」で、日本NPBの覇者読売ジャイアンツが、見事に優勝した。大変に喜ばしいことではあるが、日本での報道は末席扱いである。

サッカーのアジアチャンピオンを決定するAFCチャンピオンズリーグも日本での盛り上がりは、今ひとつ。ヨーロッパチャンピオンを決めるUEFAチャンピオンズリーグはトップ扱いで報道するが、AFCチャンピオンズリーグは末席扱い。

これは、日本が優勝するのが当たり前と考える各協会やマスコミの驕りが奥底にあるのだ。とっくに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が終わっているのに、まだあるかのごとく活動している。

その昔は、日本が目指すマーケットはアメリカで、その資金を支える内需が日本にはあった。この15年でアメリカマーケットでの日本の地位は低下し、それを支えた内需も低迷が著しい。

環境が変わっているにもかかわらず、現状の甘んじて日本国内のマーケットばかり見ていると、パナソニックやシャープのようになってしまうのは間違いない。ビジネスは規模が大きくなれば大きくなるほど、様々な問題がいたるところから自然発生していく。その問題を解決する一番シンプルな方法は、ビジネス規模の拡大しかない。

人気低下が問題視される中で、日本NPBが15年にわたって1200億円規模の市場を保っていることは賞賛に値するが、最近の日本プロ野球は中途半端で魅力に乏しい。活気を呼び込むために、もう少し攻撃的な戦略が欲しいところだ。アジアに拡大する米大リーグのマーケットを取るくらいの意気込みがあってもいいんじゃない。って思う。