僕は君たちに武器を配りたい/瀧本哲史

作者の紹介

瀧本哲史。京都大学客員准教授、エンジェル投資家。
東京大学卒業後、助手となるもマッキンゼーに転職する。3年で独立して経営コンサルタントを起業。現在はエンジェル投資家のかたわら京都大学で意思決定理論、起業論、交渉術の授業を担当する。

本書の内容

若い世代の就職環境は日に日に悪化の一途をたどっている。本書は、来るべき未来に姿を説き、若い世代がこれからの社会で生き残れる職種をレクチャーする。

本書まとめ

1)進む人材のコモディティ化

コモディティ化とは一般商材で利用される言葉で、どの商品も大差がない状態を指す。コモディティ化した市場は、価格が唯一の差別条件になるので低価格化が進む。
人材市場もコモディティ化が進んでいる。街には多くの資格保持者があふれ、インターネットの普及で情報の取得コストが大幅にダウンした。
資格で武装しても、自分自身のコモディティ化を進めるだけで、価値を上げることにはならない。
コモディティ化しないためには、自分だけの「スペシャリティ」が必要。

2)スペシャリティは大きく分けて6つ
  • 商品を遠くに運んで売ることができる人ートレーダー(営業)
  • 自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人ーエキスパート(専門家)
  • 商品に付加価値をつけて、市場に合わせてうることができる人ーマーケター
  • まったく新しい仕組みをイノベーションできる人ーイノベーター(起業家)
  • 自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人ーリーダー
  • 投資家として市場に参加している人ーインベスター(投資家)
3)生き残るのが難しいスペシャリテ

トレーダーとエキスパートはこれから時代を生き抜くのは難しい。
インターネットの登場で社会の購買活動のコストが低減し、利益幅が薄くなっている。その中で人的資源を利用した販売活動は苦しくなっていく。
また、この10年で産業スピードは高速になった。技術の変革、産業構造の変化、輸送の高速化などで、現在、必要とされている専門性が未来永劫、必要とされる専門性である可能性が低下している。

4)これから持つべきスペシャリテ

これから持つべきスペシャリティはマーケター、イノベーター、リーダー、インベスターとしてのスキルである。このスペシャリティはどれかひとつを持てばいいのではなく、状況に応じて使い分けられるようになるのが望ましい。

5)マーケターは「顧客の需要を満たす人」

マーケターはこれから社会で起きるトレンドをいち早くつかみ、ストーリーやブランドで商品の違いを作れる人。自分自身の頭で考えて行動し、他者のとの違いを生み出せる人が求められる。

6)イノベーターは「業界の裏が読める人」

競争がある業界にこそイノベーションが存在する。競争がない業界にはマーケットはない。イノベーターは自身が所属する業界のすべてを知り尽くし、その中から「イノベーション(ものごとの革新)」見つけ生み出せる人。
イノベーションは全くのゼロからは生まれない。他業界の事例や過去の歴史などからアイディアを組み合わせ、新しい価値を創造する。

7)リーダーは「本当はクレイジーな人」

リーダーに求められる資質は、優秀でないひとをマネージすること。常識にとらわれず、時には常軌を逸した行動をとることもリーダーとしては必要な資質である

8)インベスターは「リスクをしっかりと取れる人」

インベスターは「リスク」と「リターン」をしっかりと把握して、投資が実行できなければならない。安全策の投資だけでは利益を得ることは難しい。「ローリスク・ローリターン」の投資より「ハイリスク・ハイリターン」の投資機会を多く得ることが重要。投資を上手に分散することでリスクはコントロール可能である。

9)これからの社会で生き残るヒント
  1. 今ある技術を組み合わせることで、世界を変えるイノベーションはいくらでもできる
  2. 英語のスキルは必須
  3. 投資家的な視点を持ち、自分自身の仕事の価値と自身のリターンを考える
  4. 自分で考え、自分で行動する
  5. リベラルアーツ(一般教養)を学ぶ
  6. リスクと取らないことが、一番大きなリスクであることを理解する

目次

第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈の鍵を握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり