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考具ー考えるための道具、持っていますか/加藤昌治

「アイディアに行き詰まる」ということはよくあることです。
普段からトレーニングをしていない人は、アイディアを出せといわれても画期的なアイディアを短期間で出すことは不可能です。
「考具」は、そんなアイディア捻出が特異でないあなたのために、考えるための道具が紹介された書籍です。
作者は、博報堂のコーポレートコミュニケーション局に勤務している加藤昌治さん。
博報堂で「考える」ことを仕事しにしてるプロの発想法を学ぶことが可能な1冊です。

書籍のポイント

考えるということ
  • アイディアとは「既存の要素を組み合わせたもの(決して新しい概念ではない)」で、完璧なものである必要はない。
  • 企画とは「アイディアをフィージビリティースタディー(実現性調査)したもの」で、受け取る人が容易に考えを理解できる。
  • アイディアは「わがまま」なもので、実現できるのか?売れるのか?などを考える必要はない。アイディアから企画に落とし込む階で「思いやり」を持ち、受け取る人を考えてまとめていく。
  • 考えるという作業は、「情報の収集」→「アイディアを広げる」→「企画にまとめる」というプロセスで行う。
情報の収集
  • 「集めたい情報は何か?」、「解決する問題は何か?」を明確にする。
  • 効率的に情報を集める方法
    • カラーパス ー その日一日、注目する色を決定して視界に入る注目色を観察する
    • 聞き耳をたてる ー 街に出て色々な人たちの話をこっそり聞く
    • メモる ー 得た情報をメモ帳に書く。書くことで頭に情報が刻まれる。
    • ロールプレイ ― その立場になりきって考えてみる。例えば、低くなって子供になるとか。
    • 速読 ー 具体的にはフォトリーディングを指している。時間の効率化、脳の活性化につながる。
    • 新聞記者になる ー 新聞記者になりきって情報収集を行う。現場に行って取材、関係者のインタビュー。
アイディアを広げる
  • スケッチ ― 「こうなったらいい」を絵に描いてみる。わがままに自由に書く。
  • ポストイット ー さまざまなアイディアをポストイットに書いて、壁に並べてみる。グループに分けたり順序づけを行ったり。
  • マンダラアート ー 3×3マスの表を紙に書く。中心にテーマを書いて周囲にキーワードを埋めていく。
  • マインドマップ ― マインドマップに落として細かくブレークダウンする。
  • アイディアスケッチ ― A4程度の紙の上部に大きな文字でタイトルを書き、その下に箇条書きで内容説明を書く。箇条書きは3つ程度。
  • 連想ゲーム ー 「A」→「B」→「C」→「D」と関連するキーワードを連想していく。
  • オズボーンのチェックリスト
    • 転用したら ー 新しい使い道を考える
    • 応用したら ー 似たものは、真似できる物は?
    • 変更したら ー 色、かたち、動きなどを変えたら?
    • 拡大したら ー 大きく、長く、重く、期間を長く、頻度を多く
    • 縮小したら ー 小さく、短く、軽く、期間を短く、少ない頻度で
    • 代用したら ー 代わりになる人は?かわりになる物は?
    • 置換したら ー 入れかえたら?
    • 逆転したら ー 逆さま、上下左右、役割を変える
    • 結合したら ー 合体、混ぜる
  • ブレーンストーミング ー 複数人で話し合う。話は否定せずに、実現性を無視して、どんどん広げる。
企画をまとめる(アイディアを収束する)
  • 5W1Hフォーマット ー 集めたアイディアを5W1Hフォーマットに変換
  • タイトルを考える − 印象的な名前をつける
  • ビジュアライズ ー 誰でもわかる絵を描いてみる
  • マンダラアート ー マンダラアートにアイディアをまとめてみる 
  • 企画書(1ページ) ー 1ページの企画書にまとめる

感想など

本書は、考えるという行為を「情報を集め」、その情報を「アイディアとして拡散させ」、「アイディアを収束させ」、「企画にまとめる」というプロセスであると定義しています。
この行為の中で最も重要なのは、アイディアを拡散させるということです。
もちろん情報を収集するというプロセスも大切なのですが、アイディアを拡散させるという行為の量と質で成功・失敗が決まるのだと思います。
本書で紹介されている「オズボーンのチェックリスト」と使って、実際にひとつひとつ深く考えることは大変に困難な作業です。
しかし、こういった地道な思考訓練が、質の高いアイディアを生み出すのです。