図解 ネットで買わせる技術/山村敦

ブログで書籍の感想を書く際は、基本的に否定的な意見を極力排除するようにしています。
どんな書籍でも必ず取り上げるべき意見があり、その意見が見つけられないのは自分の教養が足りないのであると、そう理解するようにしているのです。
取り上げるべき意見が見つからないときは、ブログで感想を書くことはありません。

私はかれこれ25年、プログラミングコードを書き、サーバーの設定をして報酬をいただいてきました。
自分の中でシステムを構築するという職種は、大変に神聖なものです。多くの技術者が知恵を絞り生み出してきた技術を用い、まるで建造物を作るがごとく入念な設計を経てプログラムコードは作られていくのです。

私は、コンピュータというハードウェアにプログラムコードというソフトウェアを投入して、対話的に結果を得るというプロセスが好きです。
コンピュータ技術者が天職と感じますし、もっともっと高い技術に到達したいと純粋に思っています。
ネットワークを語るにはUNIXの知識が必須と思っていますし、C言語のポインタを理解できないソフトウェア技術者は認めません。
逐次ソートのフローチャートが書けないソフトウェア技術者も頭に来ます。また、メモリ管理の概念を持たないソフトウェア技術者もニセ者だと思います。

昔から常にアンチウィンドウズの立場でした。
15年ほど前は、中村正三郎氏の「ホットコーナー」を読んでは、一人で「打倒マイクロソフト」を誓っていました。
過去に私が組んだネットワークのサーバーのほとんどは、NECのPC9801を再利用したFreeBSDがインストールされたものでした。

システム業界に怪しい連中が入ってきたのは、インターネットが普及し、Googleが一般化した2000年の初頭だと思います。
彼らは、口々にSEOやマーケティングを声高々に語りました。
彼ら怪しい連中は、ラフな格好をして、甲高い声で、自信満々に喋るのが特徴です。大体、彼らの話に中身はなく、KPIとかKGIとかおよそ概念的な話に終始します。

SEO事業者のすべてを否定するわけではありません。
技術力をベースにしっかりしたコンサルティングを行っている業者がいることも知っています。
ただ、こうやってテキトーな本を出し、テキトーな団体の長を名乗って自身の事業を拡大しようとしている輩が大嫌いです。
また、こういう連中は怪しい勉強会を催し、Facebookには千人以上の知り合いがいます。そしてマーケティングと称し、Twitterでゴミ書き込みを蔓延させます。

嗚呼、本当にジンマシンが止まりません。
「あ〜もうっ!みなみ!イライラする!今日もイライラする!」
このイライラは、きっと更年期障害です。
こういう一部のテキトーな業者がいるおかげで、正しく努力している業者も怪しい眼で見られてしまうのです。

本書は、たった220ページ程度の内容のうち、約150ページを第3者のホームページを評価して「こうするべき」との意見をしています。
「買わせる技術」というのであれば、自身の関連したページで、どのような工夫がどの程度の成果があったかを掲載するべきでしょう。
これでは、読み手にも失礼ですし、(許可は得ていると信じたいですが)掲載されたホームページ運営者にも失礼です。
評価の中身は、陳腐のひと言です。この程度の評価であれば、1年程度、ホームページ作成に携わった新人君でも可能です。

本書のメッセージは、「1日10分他人のホームページを7日間みる」ことです。
これで売れるホームページが作れるようになるのであれば、この本の作者のようなコンサルティング業者は世の中から消えてしまうでしょう。

また、本書の下部には、ハロー効果などの心理効果が、これでもかというくらい記載されています。
少なくともこれだけの情報では、これらの心理効果を活用することはできません。たぶん、川島康平著の「お客をつかむウェブ心理学」を意識したものでしょうが、あまり意味を感じません。
ウェブ上での心理効果を知りたいのであれば、「お客をつかむウェブ心理学」を読むか、「影響力の武器」を読んだ方が良いでしょう。
また、インターネット集客やSEOに関する書籍であれば、最近読んだ「WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル 」がわかりやすくて親切な印象を受けました。

ちなみに本書のアマゾン評価は、★★★★☆(45件のカスタマーレビュー)です。
う〜ん、、、、これはダメでしょ。最近の評価は、★☆☆☆☆ばかりです。ウソはいけません。

お客をつかむウェブ心理学 (DO BOOKS)
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル