星野リゾートの教科書/中沢康彦

星野リゾートの教科書

星野リゾートの教科書

星野リゾートは旅館やホテルの運営会社です。
長野県軽井沢で創業し、現在の星野桂路社長は4代目です。
それまでは、軽井沢の老舗旅館でしたが、星野桂路社長は顧客満足と収益力の向上を掲げて、この10年で、全国にいくつものリゾート施設を運営する企業へと変貌を遂げました。

星野桂路社長が事業を進めるうえで、教科書にしたのは、定番といわれるビジネス書でした。
星野リゾート事業を成長させるうえで、どのようなビジネス書を参考にしたのでしょうか?

基本的な考え方

ビジネス書を教科書とする理由
ビジネス書の使い方
  • 古くても、定石として認知されたビジネス書を利用する
  • 本当に理解できるまで、何度でも読み返す
  • 書かれているることをアレンジせず、そのままの形で実践する

戦略

差別化の実践

競争の戦略
どのターゲットに集中するのかを決定し、コストで優位に立つのか、差別化を徹底するのかを二者択一で選び徹底して実践する。

フォロアー戦略を捨てニッチャー戦略へ

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版
業界トップの模倣、追随をやめる。
ターゲット顧客層を絞り込み、ニーズにあったサービスで顧客満足度を上げる。リピート率を上げて売上を増やし、利益率を高めていく。

コモディティ化からの脱却

The Myth of Excellence: Why Great Companies Never Try to Be the Best at Everything
コモディティ化が進むと顧客は、買いやすい商品、よく知ったブランドを購入する。
グループ企業の予約窓口を一本化し専門化することで、顧客が面倒な思いや嫌な思いをせずに予約が行えるようにした。

長期的な観点でのマーケティング

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則
商品ラインナップの拡張は、短期的には売上を増加させるが、長期的には無残な結果に終わる。
マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客にただひとつの印象(この味)を植え付けることである。

マーケティング

サービス品質の向上(1)

いかに「サービス」を収益化するか (Harvard Business Review Anthology)
サービスに対して提供者が保証することで、顧客にサービスへの安心感を与えることができる。
また、保証をすることで提供者側もサービスに対して責任を持つようになりサービスの品質が向上する。

サービス品質の向上(2)

真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか
その場の状況にあった良いサービスを提供するため、スタッフの独自裁量を明確に定義し、その裁量を拡大。
スタッフがよい判断をするための情報提供を徹底し、自由に動けるように組織をフラット化した。

サービス品質の向上(3)

ONE to ONEマーケティング―顧客リレーションシップ戦略
顧客ひとりひとりの要望や嗜好に答えるためCRMソフトウェアを独自開発。

ブランド構築

ブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン
メルヘン嗜好の結婚セレモニーを廃止。セレモニーとは本来どうあるべきかを根本的に見直した。
顧客満足度は向上し、結婚式の質にこだわるカップルが増加した。1組あたりの単価も上昇。

リーダーシップ

ビジョンの徹底

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
毎年1回、社長が経営計画を発表する「全社研修」を開催する。
この研修の中で、星野リゾートがビジョンに掲げる「リゾート運営の達人」が何度も繰り返される。

コンセプトを共有する

1分間顧客サービス―熱狂的ファンをつくる3つの秘訣
スタッフが議論を深めサービスに関するコンセプトを共有する。
行動の基本となるコンセプトを共有するすることで、スタッフのコンセプトへの共感度が高くなり、会社全体のパフォーマンスも上がる。

仕事を任せる

1分間エンパワーメント―人と組織が生まれ変わる3つの秘訣
スタッフに自由な発言を推奨することで、議論を活発にし、社員の働く気持ちを高めた。
また、仕事の目的、目標を明確にし、仕事をどんどん任せた。

経営者の姿勢を見せる

後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)
代表的日本人 (岩波文庫)
事業の成長や収益の増加は経営者の大切役目であるが、経営者が最も大切にしなければならないのは、品性である。
星野リゾートで働けたことをスタッフが幸せに思う。これこそが経営者がなすべきこと。