読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2011年8月に読んだ本

毎月30冊を読むことをノルマにしているが、1日1冊ペースは、仕事の都合や健康状態などで、すぐにペースが下がり実行不可能になってしまう。

もう少し早く読めぬものかと、速読には何度かチャレンジしているが、どうも自分に合わない。ペースが落ちるたびに、チャレンジしては「合わない」と思い、忘れた頃に、またチャレンジし「合わない」と思う。その繰り返しだ。

たぶんまた、速読にチャレンジするだろう。そして「合わない」と思う。それでいいんだ。速読を覚えたら本を読む楽しみが減ってしまう。
それで、今月読んだ本は19冊。目標には大きく届かなかったが、それはそれでぜんぜん良い。来月また頑張ればいい。

それにしても、経営戦略系の書籍にワクワクしなくなった。
今月は、発売当初に軽く読んだ「ブルーオーシャン戦略」を再読して、業務に役立てようと張り切っていたのだが、今回もただ読んだだけとなった。
先月読んだ「イノベーションのジレンマ」も「ふ〜ん、そうなんだ」が正直な感想である。
自分の中の価値観が変わってきている。

今月のピックアップ

累犯障害者 (新潮文庫)

累犯障害者 (新潮文庫)

衆議院議員山本譲司氏が、秘書給与の罪で刑務所に収監された際の体験や、追跡調査で書かれたノンフィクション作品。

刑務所には、多くの身体障害者知的障害者が収監されている。その多くは、繰り返し犯罪を犯して、社会適合ができていないというもの。
世界的な統計からすると、各国における障害者の比率は平均3%程度であるが、日本の障害者は1%にも満たない。
これは、日本の障害者が少ないということではなく、登録されている障害者が少ないからということらしい。

日本は昔から「世間体」というものを大切に生きてきた。昔は、障害者が家に生まれると、ひた隠しにし、外に出すことはなかったそうだ。
その習慣は、今でも日本人の心に色濃く残っているから、障害者として登録しないのであろう。
日本の障害者養護施設が、刑務所であってはならない。彼らのひととして生きる権利を何人も奪ってはならない。

ヤクザの下で売春行為を働かされている女性は、売春組織が唯一、世間でひととして認めてくれ、優しくしてくれる人がいる場所だから、犯罪でもそこが良いという。
彼らも、ひととして認められ、役に立ち、優しくされたいのだ。

東電OL殺人事件

東電OL殺人事件

本書は、東京電力女性社員が渋谷円山町のアパートで、殺害された事件を追ったドキュメントである。

本事件の特異性は二つある。一つは被害者が東京電力のエリート社員でありながら、夜な夜な円山町で客を取っていたこと。二つ目は当初逮捕されたネパール人が、明らかにえん罪であるにもかかわらず、長きにわたって拘束されたこと。
特に一つめの特異性は、私の心を強くわしづかみにした。なぜ、東京電力の要職にありながら、円山町で客を取る必要があったのだろうか。

人間には、表に出すことのない心の闇がある。多くの人は、その闇を人に見せることがない。
東電OL殺人事件の被害者は、心の闇が形になって表に出たのであろう。その理由に強く心がひかれるのだ。
しかし、今となっては、その理由はわかることはない。

本書では、その理由を自己処罰(きれいな自分、正しい自分に罪悪感を覚え、その自分を汚す行動)ではないかと推測している。
本当にそうなのかは、私にはよくわからない。被害者の持っていた、心の闇とその行動の理由に、強く心をひかれてならない。