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わかりやすく〈伝える〉技術/池上彰

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

誤解されかねない看板や、読者が理解できない新聞記事だったり、テレビやラジオで意味不明のニュース解説は世の中に出回っています。
ひとりよがりの説明に陥らず、相手の立場に立った説明が必要なのに、生半可な専門家は知っている単語を駆使して、関係者しかわからない説明文を書いています。
政治でも、行政でも、企業でも、いまほど説明責任(アカウンタビリティ)が求められる時代はありません。わかりやすく伝えるというのは。今やなくてはならない現代人の必須能力なのです。

話をきちんと聞いてもらうための工夫

話にはリードをつける

あらかじめ「いまからこういう話をしますよ」と聞き手に対して伝える。
事前に、こんな話をして、ここがポイントです、聞き手に伝えることで、聞き手は話しに入りやすくなる。

所要時間を伝える

事前に、これから話す予定時間を聞き手に伝える。「何分お話します」と予定時間を告げることで、聞き手は、話に対しての注意力が大幅に向上する。

時間が足りなくなっても大丈夫なように

話は逆三角形で伝える。
逆三角形とは、話の分量ではなく、ニュースバリューが大きなものから伝えるということである。

  1. こういうことがありました。(リード)
  2. 詳しくはこういうことでした。(本記)
  3. それはこういう理由でした。(理由、原因)
  4. 警察などが調べています。(見通し)
  5. ちなみにこんなこともありました。(エピソード)
話す対象を意識する

どんなレベルの人に向かって説明するのかをあらかじめ想定しておく。対象の聞き手を意識しない話は意味をなさない。

話を正確に伝える工夫

短い文にすれば文章がうまくなる

論理的に筋が通っている文は短くてわかりやすい。文の前後を論理的に組み立てさえすれば、文章を短く分けても破綻をきたさない。

現場の地図を示す

聞き手が場所をイメージできるよう、現場の地図を用意する。
その際、大切なのは聞き手が、自分の住む場所との位置関係を理解できるようにすることである。例えば、秋葉原付近で起きた事故を説明するのであれば、関東地方の地図→東京駅と上野駅が入った地図→現場の地図という順に示す。

ノイズをカットする

表などを作成する場合、情報の伝達に不必要な情報(ノイズ)は取り除いておく。

話に引きつける工夫

3の魔術を活用
  • 話すポイントを3つに絞る
  • 30分話す − 話す時間を30分に決め10分ずつ3つのポイントを話す
  • 現在・過去・未来という3つの観点で話す
  • 現状・反省・改善という3つの観点で話す
聞き手を見る

一瞬だけでもいいので、聞き手ひとりひとりと視線を合わせるようにする。

抽象的な話から具体的な話へ

わかりやすい説明は具体的でなければならない。
抽象的な話に終始すると、聞き手にフラストレーションを与えてしまう。話の最後には具体例や具体的措置、具体案を話すようにする。

日本語力を上げる

「そして」はいらない

わかりやすく伝える上で大事なことは「接続詞」を極力使わないことである。
「だから」や「そして」を多用すると、とりあえずは文章を書き綴ることが可能になるが、わかりやすい文章からはほど遠くなる。

「ところで」を多用しない

「とろこで」は話の内容が変わる際の接続詞である。話をしている最中に何度も利用すると、話が散漫になっている印象を与える。「ところで」本当に必要な場面にのみ利用する。

「いずれにしましても」は話をチャラにする

話を終わりにするときに利用する「いずれにしましても」は、強制的に話を終了する際に利用してしまうことがある。しかし、それまでの話をチャラにするという意味なので、聞き手に不信感を与える。

「大変なんです」という隠れマジックワード

マジックワードとは、相手に自分の話を面白く、興味深く聞いてもらいたいときに効果のある言葉のこと。話の冒頭に「大変なんです」と言ってみる。これだけで、聞き手の注目度は急上昇する。

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)