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やっぱ、成毛さんってスゴイ! − 本は10冊同時に読め!/成毛眞

いやはや、恐れ入りました。
これが、成毛眞さんの「 本は10冊同時に読め!−本を読まない人はサルである!」を読んだ正直な感想です。

私の昔話

かれこれ、四半世紀前の話ですが、私が社会人になりたての頃、マイクロソフトの社長は古川享さんでした。

当時、私はとある機械メーカーの電算部門に就職し、CAD/CAMの部隊で毎日、三角関数を使ったプログラムを作成しておりました。
使っていたパソコンはNEC製で、PC-9800シリーズと言われていたものです。
OSはMS-DOSで利用していたバージョンは3.1でした。

当時のPC-9800シリーズのノーマル機は解像度が640×400と、とても低いものでしたので、CAD用途では使い物になりません。
ですので、ハイレゾモードなる高解像度(1120×750)を持った1台が100万円超の高級機を利用するか、30万円を超えるグラフィックボードを差して高解像度にして利用していました。

また、当時のインテルのCPUは、整数演算と浮動小数点演算が別々のプロセッサになっていました。CAD用には別途、浮動小数点演算用のCPUを指す必要があったのでした。
(ああ、懐かしい、、、)

成毛さんのマイクロソフト時代

1991年に古川さんが退任され、成毛さんが新たにマイクロソフト社の社長に就任します。

成毛さんが在任期間中の1991年から2000年までのマイクロソフトは、本当に勢いがありました。
1993年ののWindows3.1の発売を皮切りにWindows95Windows98、2000年のWindows2000まで。
世界のパソコンの歴史を、次々とマイクロソフトが塗り替えていった、本当にエポックメイキングな時代でした。

成毛さんが社長に就任した1991年は、IBM社がPC/AT互換機で動作する日本語MS-DOSであるDOS/Vがに世に出回った年でもあります。
DOS/Vとともにコンパック(現在はHPと合併)という巨人が突如日本に上陸し、低価格パソコンが、瞬く間にオフィスへ設置されていったのです。
そして、日本国内で90%以上のシェアを持っていたNECのパソコンは、徐々にオフィスから姿を消していきました。

当時から成毛さんはキャラが濃いお方でしたので、

The Dark Side of the Microsoft

など、中村正三郎氏を筆頭に色々と意見されていたのも事実です。

成毛さんが、社長をマイクロソフトの社長を務めた10年は、色々な意味で本当に激動の10年でした。

そして本の話

前置きが長くなりましたが、「本は10冊同時に読め!ー本を読まない人はサルである!」はそんな成毛さんが書いた読書論です。
そんな、成毛さんのキャラを象徴する内容になっています。

論旨が鋭いのは当然ではありますが、その文章のスピード感に圧倒されます。
かなり、強引な主張ではありますが、そのスピード感あふれる文章でどんどん、成毛さんの主張に引き込まれていきます。
まさに、成毛さんの魂に触れる、そんな書です。

もし「庶民」から脱したいのなら、今までのような「みんなと同じでいい」という考えを捨てるべきだ。みんなが行く場所には行かず、みんなが食べるものは食べず、みんなが読む本は読まない。それを徹底すればいい

これが、成毛さんの読書感であり人生感です。

本を読むことで人間の幅が広がるのは当然ですが、成毛さんは限りのある人生、とにかく多くの本を読むことを薦めています。
あらゆる場所に本を置き、空き時間があればその本を読むようにする。リビングではあの本、トイレではこの本、通勤ではその本と、常に10冊ほど平行に読み、常に新しい情報をインプットせよと説きます。

本を読むという行為は私にとっても、生きるという行為そのものであり、読んだ知識をいかに活用するかが重要なテーマです。
成毛さんは、そんなことは気にするなとも言っています。

読書は文章を読み解くものでない。細部に集中すると全体が見えなくなるので、本の世界観をつかめなくなる、それでは、物事の本質をつかむことはできない。
ましてや、本を読むときに三色ボールペンを使うなど言語道断だ。
「えーと、ここはおもしろいから緑を使って、ここは重要だから赤かなあ」
こんなことを考えながら本を読むのは、もはや読書とは言えない、受験で暗記するために線を引くのと同じである。

いや、本当すみません。成毛さん。私は本に落書きしないとダメなんです。

本書は、成毛さんの人生観が「ぎゅーっ」と凝縮された本です。目の前で成毛さんが、私を叱咤しているかの印象を受ける一冊です。

ライブ感とスピード感、そして読書論、人生論。
成毛さんが好きな人も嫌いな人も、是非とも読んで頂きたい一冊です。

ちなみに、この本には成毛さんの言いつけを守り、落書きしませんでした。